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契約満了しても土地が借りられる借地権に関する豆知識を紹介

借地権といわれて詳しく解説できる方は少ないのではないでしょうか。土地を借りる際、借地権についてある程度の知識を持っていればトラブルを起こすリスクは少なく、円満に契約満了する事ができるでしょう。そこで今回は、借地権の概要やその種類、契約満了しても土地を借りられるかなど借地権に関する豆知識を紹介していきます。

借地権とは、他人の土地を借りて建物が建てられる権利

借地権とは一言でいうと、他人の土地を借りて、その土地に自分の家など建物が建てられる権利の事を指します。借地権のある土地に建てられた建物の土地は地主が所有していますが、建物はそこに住んでいる人の所有になります。

昔の日本では、土地の所有にこだわらない人が多かった事もあり、東京の下町エリアではほとんどが借地借家で占められていたと言われています。その後、戦後になると、都市部への人口増加によって住宅の需要も高くなった事もあり、借地権の所有によって借主の権利が保護されるようになります。

しかし、高度経済成長期に入り、土地の価格が上昇すると、昔から安価で土地を貸していた地主たちから、借主の権利が守られ過ぎている法規制に不満を持つようになりました。そのような背景もあり、借地借家法が抜本的に見直され、1991年10月に現在の借地借家法が公布されています。

借地権には様々な種類がある!

現在の借地借家法においては、同じ借地権でもその種類は様々あります。

借地権は、1992年8月以降に新法によって借地契約が成立した借地権と、戦前からの旧法での借地権の両方があります。しかし、現在では旧法での借地権による契約をしている人の割合が多いと言われています。

新法における借地権には一律30年の存続期間があり、契約期間が満了した後でも、希望すれば契約の更新は可能です。また当事者間が合意すれば、存続期間をより長く設定する事もできます。定期借地権とは、事前に決められた期間に限って土地を貸し出す借地権の事を指します。

期間が満了した後は、土地を借りた人が土地を更地にした上で、地主に返す必要があります。定期借地権は、土地の返還時期が不透明な旧法における借地権に不満を持っていた地主たちの意見を反映した形で作られたものです。

一般定期借地権は、通常の借地権とは違い、契約期間が満了すれば借地契約は終了となり、更新される事はありません。土地を借りていた人は、建物があればそれを壊して更地にした状態で地主に土地を返さなければなりません。

尚、一般定期借地権の場合、50年以上の存続期間があります。建物譲渡特約付借地権は借地契約後、30年以上経ってから地主が建物を買収する契約となる借地権です。今では、ほとんどのマンションがこの借地権契約の対象になっています。

契約期間が満了して建物を譲った後でもその建物に住んでいた人が住み続けたい意思がある場合は、建物の借家契約を結ぶのが一般的となっています。事業用定期借地権は、事業用の建物所有のために設けられた定期借地権で、10年以上50年未満の期間で契約を結ぶ事ができます。契約終了後は、土地を借りた人の負担で建物を撤去して、土地を地主に返す事になります。コンビニなどの出店の際に多く用いられる契約方式と言われています、

契約期間中でも借地契約は終了させられる!

一般的に借地権はその種類に関わらず、契約期間中であっても地主と借地人の間で合意があれば、解約する事ができます。ただ、借地権の場合、契約期間が満了になっても、借地権者が土地を使い続けたいと考えている限りは原則として更新されます。

このケースの場合に契約を終わらせるには、地主側が契約更新に対する異議を申し立てて、その意義に正当性がある事を証明しなければなりません。そのため、異議を申し立ててれば必ず契約が終了できるとは限りません。また土地代の不払いがあると、地主は契約が満了していなくても途中で契約を終了させる事ができます。

しかし一般的には、少なくとも6ヶ月程度の不払いがないと解約は認められない事が多いようです。

更新の異議申し立てがあった場合は、裁判所が最終的に判断します!

地主が借地人の更新に対して異議がある場合、契約が終了するか否かについては正当な理由があるかによって、裁判所が最終的に判断する事になります。正当な理由があるかどうかは、地主及び借地権者双方の土地の使用を必要とする理由や土地の利用状況などを考慮した上で判断される事が多いと言われています。

この「正当な理由」の中で最も重要な項目なのが「その土地を今後も使う必要がある」という点です。その土地でなくてはならない理由について、家庭や経済的な事情などできる限り様々な角度から証明する事が重要になります。

他にも土地代の支払い状況や建物の利用頻度などから土地が有効に活用されていたかどうか等を判断します。

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契約終了時の土地に建っている建物の扱いはどのようになっている?

借地契約が終了した場合、その土地に残った建物を解体撤去するには、多大な費用がかかってきます。そのため、その建物をどのようにするか、費用は誰が負担するかという事は契約終了した際の問題点でもあります。これに関しては、どのような経緯で契約が終了したかによって変わってきます。

まず双方が合意した上で解約する場合、基本的には借地権者が土地を借りた時点の状態に原状回復させる必要があります。しかしこれはあくまで基本的な考えなので、解約を検討する際は、建物について双方でよく話し合って方向性をきめる必要があります。

一方、定期借地権における期間満了や土地代の不払いによる契約解除の場合は協議する必要性はなく、借地権者が建物を解体撤去した状態で土地を返す事になります。問題は地主が契約更新に対して異議を申し立てて契約を終了した時で、この場合、借地権者は「建物買取請求権」という権利があります。

これは、借地権者が建物を時価で買取るよう地主に要求できる権利で、地主は原則として拒否する事はできません。そのため、地主は契約終了の際に建物を借地権者から買取り、その上で解体を希望する場合は費用を負担しなければなりません。

この場合の「時価」とは、建物の状態・築年数などを考慮して判断されます。また、借地権者が無断で借地権を別の誰かに譲って契約を終了するに至った場合でも、借地権を譲り受けた人は地主に対して建物買取請求権を行使する事ができるようになっています。